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「アクセシビリティ基礎研修」受講レポート(株式会社ディーゼロ)

リタ

リタ

エンジニア兼ライフコーチ

株式会社ディーゼロ・アクセシビリティ基礎研修の資料の画像

1. はじめに

こんにちは! カラビナ・アクセシビリティチームの lita(リタ)です。 このブログでは、2025年6月に受講した株式会社ディーゼロさんの「アクセシビリティ基礎研修」についてレポートします。

2. 受講の背景

2025年5月、カラビナではアクセシビリティチームが発足しました。社内のアクセシビリティの啓発や仕組みづくりをより一層推進し、クライアント案件におけるアクセシビリティ対応支援の体制強化が主な目的です。 (チーム発足の詳細は、別途公開予定のブログにてご紹介します)

今後の活動に活かすため、アクセシビリティを基礎から体系的に学び直し、知識を整理する良い機会にできたらと、アクセシビリティチームのメンバーであるzero(ゼロ)さん、jyoti(ジョッティ)さん、mint(ミント)さん、litaの4名で受講しました。

3. 研修の概要

研修の概要を以下にまとめました。

  • 研修名:アクセシビリティ基礎研修
  • 提供元:株式会社ディーゼロ
  • 実施日:2025年6月3日(火)、10日(火)、17日(火)、24日(火)
  • 時間:いずれも13:00〜15:00(各2時間×4回、合計8時間)
  • 形式:Zoomによるオンライン開催(講義+質疑応答)
  • 内容:
    • アクセシビリティ概論とプランニング基礎(2時間)
    • ウェブアクセシビリティの評価(2時間)
    • 設計〜デザイン・UI(2時間)
    • 実装〜運用管理(2時間)

講師を担当してくださったのは、アクセシビリティスペシャリストであり、アクセシビリティ系のイベントやカンファレンスで数多く登壇されている、ゆうてん(平尾優典)さんです。

アクセシビリティについて、ゆうてんさんから直接学べるというのも貴重な機会となりました。

研修では、毎回のアンケートフォームや講義時間中に質疑応答の時間が多く設けられているので、講義内容についての疑問点を質問したり、受講者自身が実案件でつまづいた点など、もう少し突っ込んだ内容についても聞くことができます。

アクセシビリティ案件を数多く経験されたゆうてんさんだからこその回答ばかりで、他の方の質問からも多くの学びが得られました。

前述のとおり、リアルタイムでの参加がこの研修のメリットを一番享受できオススメですが、万が一、当日欠席することになっても、後日アーカイブと資料が共有されるので、後で見返したり復習したりできる点もありがたいです。 (アーカイブの共有は受講者限定となっています)

4. 印象に残った学び

実際に受講してみて、特に印象に残ったことをまとめてみました。

■ 規格やガイドラインの実務的な理解

受講を通じて、アクセシビリティの規格やガイドライン(JIS X 8341-3:2016、WCAGなど)について、その関係性が改めて整理できました。 特にWCAGの適合表明やJIS X 8341-3:2016「準拠」「一部準拠」「配慮」といった対応レベルの考え方、ガイドラインに基づく試験の具体的な運用方法など、実案件をイメージしながら学べたのは大きな収穫です。

例えば、JIS X 8341-3:2016については、WAICによる試験実施ガイドラインがありますが、そういった初めの一歩から踏み込んで、1ページあたりの目安となる試験時間やインタラクションの多いページの取り扱い、大規模サイトでの進め方など、より現実的なお話を聞くことができました。

■ アクセシビリティツリー活用に感じた可能性

今回の研修では、アクセシビリティツリー(※)について、他と比較すると多くの時間とページが割かれていた印象でした。Chromeなどのブラウザにおいて、アクセシビリティツリーの表示機能は知っていたものの、講義を受けて、スクリーンリーダーでの読み上げ時にデバッグツールとして利用するなど、まだまだ活用できる伸びしろがあるなと感じました。

※ アクセシビリティツリー(Accessibility Tree)とは? アクセシビリティツリーは、支援技術(例えば、スクリーンリーダーや点字ディスプレイなど)で利用されるウェブページのデータです。 これがあることで、スクリーンでは見出し要素を「見出し」、ボタン要素を「ボタン」と読み上げるので、視覚情報がなくてもウェブページの要素を理解することができます。 アクセシビリティツリーがしっかり作られていると、すべての人にとって使いやすいウェブになります。

■ チームメンバーの感想

一緒に参加したメンバーにも研修を受講してみての感想を聞いてみました。

zero さん: WCAG達成基準について一つ一つ解説いただいた回が一番印象に残りました。 過去に達成基準を読んだ際には「へ〜〜。ふ〜〜ん。」と思っただけでしたが、今回の研修では自分が対応する視点で考えることができました。 自分だけかもしれませんが、アクセシビリティって勉強するだけでは「すごいね〜」「なるほど〜」「こんな風にできたら良いよね〜〜」くらいのどこか別世界の話を聞かさせれている感じになりがちだと思います。 それが今回の研修では自分ごとと捉えて、「実際に自分が対応するならこんな感じかな?」とより解像度高く勉強することができました。

jyoti さん: 今回の研修では、アクセシビリティを知識として覚えるだけでなく、考え方として身につけることができました。 「このときはこうすればいい」といった決まった答えではなく、情報の目的や特徴をふまえて、そのときの状況に合った対応を考えることが大事だとわかりました。 そうして考え続けることが、利用しやすさにつながるのだと感じました。 これからも「誰にとって、どうすれば伝わりやすいか」を検討し続けていきたいです。

mint さん: これまで独学でアクセシビリティについて学び、さまざまなセミナーにも参加してきましたが、「実際にどうすればよいのか?」という具体的な部分がよく分かっていませんでした。 今回の講座では、「アクセシビリティとは何か」から「実践方法」までを体系的に学ぶことができ、実務に活かせる知識を得ることができました。 また、ゆうてんさんに直接質問して疑問を解消できた点も、大変有意義でした。

5. 受講して感じた変化と今後の取り組み

この研修を通じて、単なる「知識の習得」ではなく、より広い視野でアクセシビリティに向き合えるようになりました。 受講を終え、カラビナのアクセシビリティチームでは、今後、社内向けに以下のような取り組みを進めていきたいと考えています。

  • 社内向けのアクセシビリティガイドラインの作成
  • アクセシビリティ対応を前提とした社内開発フローの整備
  • 社内勉強会の開催

また、社外向けには、アクセシビリティ対応に特化したサービスも立ち上げる予定です。準備が整い次第、こちらのブログでもアナウンスしていきます。 サービス立ち上げ前でも、ご相談は常時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

6. こんな方におすすめの研修です

この研修は、「アクセシビリティとは?」という導入から始まり、JIS規格やWCAGの基本的な理解、アクセシビリティの評価方法、UI設計や実装、運用や管理まで、バランスよくカバーされています。

特に以下のような方におすすめです。

  • アクセシビリティを学び始めた方
  • アクセシビリティについて一通り押さえておきたい方
  • 実務に関わっており、スペシャリストの意見を聞いてみたい方

毎回しっかりと質疑応答の時間が設けられているため、講義内容だけでなく「現場のリアル」に即した問いにもしっかり答えていただけた点がとても印象的でした。

7. おわりに

アクセシビリティは、一部のユーザのためのものではなく「全員にとっての使いやすさ」に直結するものです。今回の研修から刺激を受け、知識だけでなく意識や視座もアップデートされました。アクセシビリティがもっと「当たり前」な世の中に近づけるよう、まずは自分たちの足元から始めていけたらと思っています。

講師のゆうてんさん、進行の渡辺さん、研修を開催くださり本当にありがとうございました。 これからも、学んだことを現場で活かし、伝え、広げていけるよう取り組んでいきます。

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