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デザイナーの観察力を高める、お散歩ワークショップの開催レポート

ジョッティ

ジョッティ

ディレクター

いい笑顔で談笑するチームの写真

【はじめに】

こんにちは、カラビナのデザインチームです!

今回は、2024年9月にデザインチームで行った街歩きワークショップについてご紹介します!

テーマは「お題の色を探して街中を観察するお散歩ワークショップ」。対話からデザイナー同士の価値観を共有し合え、お互いをより深く理解する良い機会になりました。

ぜひ最後までご覧ください!

【筆者の紹介】

新卒で入社して3年目の駆け出しデザイナー✍️

現在はコミュニティサイトのUIUXデザインを担当しています。

1. 開催の理由

リモートワークが主流となって約5年。デザインチームでは、いくつかの課題を感じていました。

【デザインチームで感じていた課題💭】

・仕事以外でみんなと話す機会が少ない…

・デザイナー同士で同じ案件に取り組むことが少ない…

・情報共有の場がオンラインの定例ミーティングだけ…

そこで、よりチーム内の交流を深めるために、オフラインイベントを企画してみよう!という話に。

アイデア出しを行ったところ、美術館めぐりや、セルフレジのリデザイン、デザインチームのロゴ作成など…さまざまな案が出ました。

最終的に決まったのは、「テーマの色を観察する街歩きワークショップ」。これならオフラインならではの体験ができて、チーム内コミュニケーションも活性化しそう、と意見がまとまりました。

2. ワークショップの内容

今回は「カラーバス効果」を参考にしています。

【カラーバス効果とは🌈】

特定の色を意識すると、その色に関する情報が自然と目に入りやすくなる現象のこと。 アイデア発想法や広告戦略などに活用されています。

引用:カラーバス効果とは?わかりやすい具体例と活用のポイント

当日は、デザイナー同士の価値観や考えを共有し合える時間にしたい。

そう考え、色の意図や効果を考察してみんなで対話できるような、街歩きワークショップに決めました。

【流れ】

  1. くじ引きで、テーマとなる色ごとに数人のチームに分かれる
  2. チームで30分間、街中を歩いてテーマの色の看板や広告の事例を収集
  3. オフィスに戻って整理・考察
  4. 最後に集まってみんなで発表

3. ワークショップ当日の様子

当日、8名のデザイナーが参加しました。

くじ引きで「赤」と「青」の2チームに分かれ、筆者は青チームに。

それぞれ街中に出て、テーマの色を探しながら写真を集めていきました。

外に出ると、早速、青色のサインが多く目に入ります。

筆者が撮影した青色のサインの写真

滑り出しは順調…と思いきや、建物や地下街へ入ると、なかなか青色の看板や広告は見つからず。

📸地下街でやっと見つけた青色の広告看板 地下街で見つけた青色の広告看板の写真

苦戦しながらもなんとか集めて回った結果、探索の時間を5分ほどオーバーしていました。 急いでオフィスに戻ったところ、赤チームはすでに写真を分類中。

後ろから覗くと、集めた写真はかなりの量のようでした。

📸赤チームが集めた写真を分類している様子 赤チームが集めた写真を分類している様子

焦りながら、青チームも急いでFigJamに写真をアップ。 しかし事例収集に難航したことで、青色が使われている理由を深掘りする時間が足りず。…

最終的には勢いでまとめて、なんとか発表に間に合わせました。

最後は両チーム集合し、それぞれの写真と気づきを共有。

ものにその色が使われている理由や、色が持つ効果について意見を交わしました。

🟥赤チームのまとめ

赤チームは、赤色が用いられている意図を大きく3種類に分類・考察。 事例も充実しており、とても興味深かったです。

⚠️注意喚起🟥 赤チームがまとめた注意喚起を表現した写真

💰金額を表現🟥 赤チームがまとめた金額を表現した写真

📅休日を表現🟥 赤チームがまとめた休日を表現した写真

筆者が特に興味深かったのは、今まで意識したことすらなかったカレンダーの色についてでした。

【日・祝が赤の理由🗓️】

多くの国では、週日は黒で、日曜日と祝日は赤が定番。 土曜日に青色を用いるのは日本特有で、週休2日を浸透させる目的があったとか。

引用:なぜ? カレンダーの土曜日が“青色”なワケ

他にも、化粧品フロアで赤色の内装の資生堂が目立っていたとのこと。

赤色の内装の資生堂の写真 赤色の内装の資生堂

たしかに、一般的にデパコスと言えば黒中心にモノトーンが多いイメージで、特別感を感じます。 資生堂のブランドカラーは赤色ですが、やや低明度で高彩度。深めの赤色には気品や高級感があります。

その資生堂の赤には、深いストーリーがありました…!

【資生堂で赤色が使われる理由💄】

新たな美の概念を伝える色。

また創業から約150年の歴史の中、「チャレンジスピリット」を象徴してきた色でもあるそう。

引用:SHISEIDO STORY OF RED | SHISEIDO | 資生堂

余談ですが、筆者がずっと気になっている資生堂の美容液ファンデ。 パッケージの差し色の赤は明るめですが、勝手に成分の良さや独自性を感じていました。 ブランドストーリーにも共感し購入を決意。

🟦青チームのまとめ

大きな気づきとしては、公共サインに青色が多く用いられていた点です。 当日は雲一つない快晴でしたが、同じ青空の下でも青色のサインはとても情報を読み取りやすかったです。

🚌公共サインの青色🟦 青色の公共サインをまとめた写真

【公共サインに青色が多い理由🛣️】

1. 青×白の組み合わせは、可読性が高く、また遠くからの視認性が高いため、瞬時に正しく情報が伝わりやすい効果がある。

  1. 暗い場所で長波長色の赤が暗く見え、短波長色の青が明るく見える現象である「プルキンエ現象」を考慮している説。青色の標識を用いていることで、夜間でも見えやすいとか。

引用1:17 標識にいろんな色があるのはどうして?

引用2:令和元年度 まちかどサイエンス

また、バケツやブルーシートに青色が多いのは、塗料の値段が安いから🪣

普段は全く意識せず利用していましたが、ものの色について、 改めて問いを立てて考えてみることで、いろいろな気づきを得られました。

青チームの勢いの部分 青チームが勢いでまとめた写真

発表の後は、持ち寄ったテーマでディスカッションをしたり、 デザインと全く関係ない雑談で盛り上がったり…。終始なごやかな雰囲気で、学びの多い1日でした。

いい笑顔で談笑するチームの写真

【反省🌀】 公共サイン以外で青色のものが少なかったので、事前にもう少し調査が必要だったなと思いました。

開催当時は9月だったため、街の広告や看板に秋をイメージした暖色が多かったことも要因としてありそうです。 次回は、

・緑色🟢

・黄色🟡

の2色でやってみたいなと思います。

4. 参加者の感想・気づき

ワークショップの後、参加メンバーに感想を聞いてみました。

特に多かったのは、「オフラインでのコミュニケーションが楽しかった」「メンバーの価値観の違いや、思考の過程が分かっておもしろかった」といった声です。

【そのほかに集まった感想💬】

・街に出て探して帰るという体験ができたことで、より記憶に残りました。

・話し合って深めたり、他の人が気づいてくれたりしたことで、より多く気づきを得られました!

・価値観を知ったことで、これから同じチームで働くときのコミュニケーションがスムーズになりそう!

・街中を観察するだけで、デザインスキルを鍛えるトレーニングになることが分かって勉強になりました。

筆者も外出の際は、意識して色の意図を探ってみようと思います!また、先輩方の視点や考え方を知ることで改めて自分の現在地に気づけました。引き続き精進します。

5. 今後に向けて

今回は、オフラインでの充実したコミュニケーションを通して、 お互いの価値観の共有や新たな気づきを得られたと思います。

そして、次回についてチーム内で話し合ってみたところ、 「価値観は知ることができたので、次はみんなのデザイナーとしての強みを知りたい」 という声が上がりました。

そこで、「ランダムなテーマで新規サービスをプレゼンしてみる会」を開催予定です。

みんなが決められた時間内でどのようにサービスを生み出すのか、どこに焦点を当てて取り組むのか。 今から楽しみです!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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