インタビュー
ガバイソン2026夏|ハッカソンを続ける3人に聞いた 『ものづくりを楽しむ出会いの場』 について

ロミー
プロジェクト推進/コミュニケーター

ガバイソン2026夏|ハッカソンを続ける3人に聞いた 『ものづくりを楽しむ出会いの場』 について
「仕事だから」 だけじゃない。ガバイソンを運営する3人に聞いてみた。

『ガバイソン』 というイベントがあります。
佐賀で開催されている、学生を中心とした泊まりがけのハッカソンです。
……と書いてみたものの、私は今回取材するまで、ガバイソンのことすらきちんと理解していませんでした。
そもそも、どうして始まったのか。誰が運営しているのか。そして、カラビナのメンバーは、なぜここまで関わっているのか。 話を聞いたのは、ガバイソンの立ち上げから運営を続けているmeijinさんと、技術メンターとして長く関わっているbciさん、新メンバーのyotuさん。
聞いていくうちに見えてきたのは、イベントそのものよりも、その周りにいる3人の関わり方でした。
今回は、ガバイソンを通して見えてきた、カラビナの 『人とカルチャー』 の話です。
話を聞いた人
meijin (名人) さん
ガバイソンの主催・運営を担当。採用担当として学生や地域のITコミュニティとの接点をつくりながら、イベントそのものの企画・運営にも深く関わっています。「こういうことをやりたいって、自分から手を挙げる人が多い会社であってほしい」 と話す、まず自分が動く人。
bci (ぶっち) さん
入技術メンターとして参加。長崎大学のPBLにも継続して関わり、学生の成長を長い目で見ています。ガバイソンへの参加について聞くと 「ほぼボランティアですね」 とさらっと回答。学生の技術だけでなく、その人自身の変化にも目を向けている人。
yotu (よつ) さん
現在は技術メンターとして参加していますが、実は昨年まではハッカソンの参加者側。ハッカソンをきっかけにカラビナと出会い、カラビナテクノロジーに入社しました。「ボランティアというより、趣味ですね」 と言うほど、ものづくりそのものを楽しんでいる人。

そもそも、ガバイソンって何ですか?
ー romy
まず本当に基本的なところから聞きたいんですけど、ガバイソンって、そもそも何をするイベントなんですか?
ー meijin
そもそもは、ハッカソンをするイベントですね。もともとは2021年にカラビナが佐賀に進出して、佐賀市と連携協定を結んだところから始まっています。 自分は採用にも関わっていたので、「採用したい人たちには、どこに行けば会えるんだろう」 って考えたんですよ。北九州や福岡にはIT系のコミュニティがあって、自分も参加するだけじゃなくて運営をしていました。だったら、同じようなことを佐賀でもやったらいいんじゃないか、と。 それで作ったのが「ガバイテック」です。
ー romy
まずガバイソンより先に、ガバイテックがあったんですね。
ー meijin
そうですね。佐賀大学の方とも一緒に立ち上げて、学生と企業の接点を作るような交流会やLT会をやっていました。 その中で 「佐賀ってハッカソンないよね」 という話になって。じゃあやろう、と。でも 「佐賀ハッカソン」 だと面白くないので、ガバイテックのハッカソンだから 「ガバイソン」 。うちのデザイナーの方にロゴも作ってもらって、そこから始まりました。
ー romy
意外と 「じゃあ、やろう!」 から始まってるんですね。
ー meijin
そうですね(笑)
やる場所がないなら、作ればいい。
最初のガバイソンは、およそ20人の学生からスタート。 会場を探し、企業から協力を得て、佐賀県にも相談し、コミュニティ向けの補助金も活用しながら続けてきました。 今回の 『ガバイソン2026夏』 で、開催は9回目。
話を聞いていると、最初から大きな計画があったというよりも、
「佐賀にもこういう場所があったらいい」
「じゃあ、どうやったらできるだろう」
と、一つずつ必要なものをつないできたことが分かります。
ー meijin
福岡とか北九州だと、企業が場所を貸して、そこにコミュニティが集まるみたいなことが結構あるんですよ。でも佐賀では、当時あまりそういう動きがなかった。だったら 「うちのオフィス貸してやったらいいんじゃないか」 って。そこからですね。当初、うちのオフィスでLT会とかミートアップとかやってました。ただうちのオフィスでは、ハッカソンには狭すぎました。なのでハッカソンを開催できる場所を足で探して、佐賀古湯キャンプを見つけて、そこでずっとやってます。
ー romy
「ないからやらない」 じゃなくて、「ないなら作る」 だったんですね。気づけば今回の参加者は40名以上。前回は最多の53名が参加し、現在は人数を調整しながら開催しているそうですね。
ー meijin
学生の中で 「この時期になったらガバイソン」 になってるみたいで、申し込み開始すれば気づけば想定人数超してる感じです。
ー romy
これだけ企画して、学生を集めて、泊まりがけでサポートして。これって、仕事なのかボランティアなのかでいうと、どっちなんですか?
ー meijin
位置づけとしては仕事ですけど、動きとしてはかなりボランティアですね。楽しいですよ。じゃないとやらないです。
ー romy
bci さんはどうですか?
ー bci
ほぼボランティアですね。
ー meijin
bci さん、長崎のイベントとかは完全に土日で来てますからね。
ー romy
それはすごいですね。yotu さんは?
ー yotu
僕はボランティアというより、趣味ですね。
ー romy
趣味(笑)
ー yotu
去年までは参加者だったので、運営側になっても同じような感覚でやってます。
「ものづくり」 にとことん付き合う、技術メンターに聞いた。
教えるだけじゃない。人と人で学び合う。
meijin さんが主催・運営を担当する一方で、bciさんとyotuさんは 「技術メンター」 として学生をサポートしています。
ー yotu
学生さんにメンターのところへ来てもらって、今の状況を話してもらうんです。健康診断のために一回進捗を整理するので、「今どうなってるんだっけ」 ってチーム内で確認するきっかけにもなります。
ー meijin
泊まりがけなので、技術だけじゃないんですよ。「体調大丈夫?」 「気持ち的に大丈夫?」 みたいなことも含めて、本当に健康診断をする感じです。技術の話をするだけではない。時には、開発が大変な状況になったチームに、夜まで付き合うこともあるんですよ。
ー romy
カップ麺が積んである光景をみたんですが、bci さん、遅くまで対応したこともあるんですか?
ー bci
ありますよ。かなり大変な状態になってるチームがあって、夜まで対応しました。
ー romy
そこまでやるんですね。技術メンターのお二人にとって、ハッカソンの面白さってなんですか?
ー yotu
僕はハッカソン自体に結構参加してきたんですけど、やっぱり、ものづくりってシンプルに面白いんですよ。自分の技術を試せるし、作ったものが動いて、それを評価してもらえる。他のチームのものを見るのも面白いし、「これどうやって作ってるんですか?」 って聞くのも面白い。
ー bci
自分は、いろんな学生さんがいるのが面白いですね。たとえば、PBLに参加していた時は、まだコーディングまではできなかった学生さんとかいたんです。でも今回のガバイソンでは、実際に自分たちでコーディングをやっていて。参加するために勉強してきたんだな、っていうのが良かったですね。あと、一見すごくできそうに見える学生さんだけど、初歩的な部分の漏れがあったり。逆に、意外なところでやれるんだっていうのが見えたり。人と出会うのは結構面白いです。
ー yotu
そうですね、僕もハッカソンって、結構 「出会いの場」 だと思ってるんです。同じ年代で、同じように開発をしている学生と出会える。企業とも出会える。僕の場合は、ハッカソンでカラビナと出会って、結果的に採用になりました。
ー romy
本当に、そのままつながった人なんですね。
ー yotu
そうですね。それだけじゃなくて、自分と同じ方向を向いて開発している人を見ると、モチベーションも上がるんですよね。そういう場所って必要だと思います。
ー romy
それだけ熱心に取り組む学生さんを見ていて、自分に返ってくるものってありますか?
ー yotu
ありますね。相手に 「こうした方がいい」 とフィードバックする中で自分も考えますし、上手いチームは、自分たちが今までやってきたより上手いやり方を見つけてたりする。勉強になります。
ー bci
頭柔らかいなって思うことはありますね。大人だったら躊躇するようなことでも、そのまま突っ込んでやったりするので。「そんな使い方するんだ」 って思うことはあります。
ー romy
メンターをやってて大変なことってありますか?
ー bci
それを言うと、ここ2、3回でかなりAIの影響が出てきました。みんなAIを使って開発するようになって、メンターの役割も変わってきています。前みたいに技術的な質問だけが来る感じではなくなってきました。
ー romy
じゃあ、メンターがいらなくなるわけではないんですね。
ー yotu
むしろアドバイスする内容が変わった感じですね。AIの使い方が分からなかったり、そもそも聞き方が分からなかったりするので。コード自体はAIが作れてしまう。じゃあ、どこまでAIに任せて、どこから自分たちでハンドリングするのか。そこはチームごとに全然違っていて、面白かったです。
ー bci
今回はビジネスプランの要素もあったので、「どうやって売上を上げるか」 みたいなこともAIに聞くじゃないですか。でも聞き方を間違えると、全然違う答えが返ってくる。その辺は苦労してそうでしたね。AIがコードを書いて、答えを返してくれるようになっても、「何を聞くのか」 はやっぱり大事なんだと思います。技術を教えるだけじゃなくて、AIの使い方や聞き方も含めてサポートする。メンターとしての関わり方が、少しずつ変わってきてる感じはありますね。
自分にとって、ガバイソンって何ですか?
meijin: 『みんながWin-Win-Winになる場所。』
カラビナとして見るなら、採用のすごくいい機会だと思います。でも個人的には、地域にとっても学生にとっても、プラスでしかないと思っていて。機会が増えれば、人とのつながりとか、選択肢とか、いろんな広がりが増える。結果的に、その人の人生が少し良くなっていくんじゃないかなと思います。そうなると結果的に、採用にも効いてくる。実際そうなりだしてるとも思いますね。
bci: 『地方にいる学生の、受け皿になれる。』
ハッカソンって、どうしても都市部に多いんですよね。福岡だったり、東京だったり。佐賀や長崎にいる学生が参加しようと思ったら、遠くまで行かないといけないし、お金もかかる。そこを地方で開催することで、その子たちが参加できる受け皿になれている。それは、ガバイソンをやる意義の一つだと思います。ガバイソンをきっかけに、その子の将来につながるなら、それで十分意味があると思います。
yotu: 『出会いの場。そして、ものづくりを楽しむ場所。』
僕にとっては、やっぱり出会いの場ですね。同じことをやっている学生と出会えるし、企業とも出会える。僕自身がそうだったので。それと、ものづくりの楽しさ自体は、失われないようにしたいと思っています。採用も大事なんですけど、参加者として来た経験があるからこそ、そこは大事にしたいです。
仕事で得たものを、仕事の外側へ。
取材の最後、meijinさんが話してくれたことが印象に残っています。
「 社会人として仕事をすることももちろん大事なんですけど、それと同時に、自分が仕事で身につけた知識や経験を、地域とか社会に還元することも大事なんじゃないかなと思っています。開発で得た知識や経験を地域に返す。それは仕事を通してでもいいし、こういう活動を通してでもいい。そういうことをやった方が、結果的に自分の人生も、そして会社にも還元できて、豊かになる気がしていて。回り回って自分に、会社であるカラビナにも返ってくるんじゃないかなと思います。」
仕事とボランティア。
採用と地域活動。
教える側と、教わる側。
ガバイソンを見ていると、その境界線は思っていたよりずっと柔らかい。仕事で身につけたものを、少し外側へ持ち出してみる。そこで誰かと出会って、また何かを持ち帰ってくる。
カラビナには、そんな循環を面白がって続けている人たちがいます。
運営メンバー集合写真(木村情報技術さんと)

次回のガバイソンは2027年春予定
ガバイソンは、次回2027年春の開催を予定しています。 今回もイベント終了後には、すでに次の開催について話し始めていたそう。4〜5か月前から運営ミーティングを始め、募集、準備、振り返りを繰り返しながら作っていくそうです。
また次のガバイソンで、どんな人と人がつながるのか。これからも楽しみです!
■ 主 催 ガバイテック
■ 運 営 木村情報技術株式会社/カラビナテクノロジー株式会社
■ 協 力 佐賀県産業スマート化センター
カラビナテクノロジーでは、一緒に働く仲間を探しています。
「まずは話すだけ」でも大歓迎です。この記事を読んで少しでも気になったら、気軽にお声がけください。
採用に関しては、こちらから。お気軽にどうぞ!
✦ @ Wantedly 『カラビナテクノロジー株式会社』
取材・文: romy